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3 Mix-MP法について

 最近、TVなどで3Mix-MP法について取り上げられているようです。「痛みがない」とか「一回で治療が終了」とか良い事ばかりのようですが、本当でしょうか。

 TVにも取り上げられていたタクシゲ先生が管理されている3Mix-MP法のHPを見てみました。
 
 3Mix-MPの「科学的根拠」のページには英文の論文が並んでいますが、タイトルをよく読むとすべてin vitroの実験です。in vitroとは「ガラス(試験管)の中で」という意味で、動物実験(in vivo)ではありません。「臨床論文」で掲載雑誌として挙げられているのは、「歯界展望」「The Quintessence」「日本歯科評論雑誌」などです。これはいわゆる「商業誌」と言われるもので「学会誌」ではありません。これを3Mix-MPの「臨床論文」「科学的根拠」と言うには少し根拠が弱いように思います。
  どのような薬でも基礎研究(in vitoroの研究)、非臨床研究(実験動物での研究)、3フェーズの治験(健康な人での安全性試験、患者さんによる効き目と安全性の試験)を行った上で一般に用いられます。この段階で言えば3Mix-MPはまだ基礎研究の段階であるように思います。

 もちろん、3Mix-MP法で使われるそれぞれの薬はそれぞれに治験を済ませてはいますが、3剤を併用する事による未知の相互作用については検証がなされていません。混合される薬剤の数が増えれば増える程、相互作用が生じて副作用が起こる可能性が高いという論文もあります。厚生労働省の基準においても、本来は3Mix-MPとして調剤をした状態での治験が必要であると思います。

 たとえ、治験が終了しても「健康保険適応になるかどうか」という問題があります。もちろんそれぞれの薬剤は個々に別々の用途で保険の適応があります。ただし、3Mix-MPの3種類の中に「虫歯の治療で歯につめる」適応がある薬はありません。現在のところ、保険適応外の用途で薬剤を使った場合、治療の最後(冠を被せたり、詰め直したり)まで、保険外で治療を行う必要があるというのが厚生労働省の見解のようです。

 3Mix-MP法についてはきちんと検証を行えばその有効性と安全性が確認されるかもしれません。しかし、現状では、有効性と安全性が確認されているとは言い難い上、他に代替の治療手段があるので、患者さんに対して積極的に3Mix-MP法を使用する意義を見いだす事は出来ないと思います。また、上記の説明無しに使用するのであれば、歯科医師としての倫理上の問題があるとも思います。

 最後に、3Mix法はもともと新潟大学の教授を退官された岩久正明先生が開発された方法であり、岩久先生の歯科医院のHPにくわしいコメントがあります。


最近、3MIX?MP法の開発者と称して盛んに宣伝されている東北の開業医の先生は、3MIXの研究には全く関係ない方で、たまたま私の講演を聴いて、3MIXを混ぜる材料MP(特別なものではありません)の名前を付けて開発者と称して居られるだけで学術的研究報告もありません。

 患者さんも歯科医師のみなさんもセンセーショナルな宣伝に踊らされず、冷静なご判断をお願いします。

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