フッ素で虫歯予防
まず落ち着いて飲み込んだ量を確認してください
ミラノールの袋には劇薬と記載してありますが、これは水に溶かす前の濃度での適用です。指示通りに水に溶かしたフッ素洗口液は普通薬の扱いになります。落ち着いて飲み込んだ量を確認してください。
取り分けた洗口液(1回分)を全部飲み込んでしまった場合
まず、フッ素洗口液のフッ素濃度は250ppm(0.025%)ですが、これを7?10cc専用のコップに取り分けた場合、この中には1.75mg?2.5mgのフッ素が含まれています。この液で30秒間うがいをして吐き出した後、実際に口に残るフッ素は7ccで 0.26mg、10ccで0.38mg程度です。この量については全く問題がありません。
もし、1回分のぶくぶくうがいの液を吐き出さずに全量飲み込んでしまった場合を考えてみます。化学物質による急性中毒(吐き気がしたり、下痢をしたりする)の発現量は体重に比例します。フッ素の急性中毒発現量は体重1kg当たり2mg以上のフッ素を一度に飲み込んだ場合(2mg/ kg)とされています。平均体重から急性中毒発現量を計算すると36mgとなりますが、7?10cc専用のコップに取り分けた溶液中のフッ素量は75mg?2.5mgとなります。これは急性中毒量の1/20ですので、心配はありません。
| 年 齢 | 洗口液量 | フッ素量 | 平均体重 | 急性中毒発現量 |
| 5?6歳児 | 7cc | 1.75mg | 18?19Kg | 36?38mg |
| 7歳児 | 10cc | 2.5mg | 24Kg | 48mg |
誤って顆粒を食べたりフッ素洗口液を大量に飲み込んだりした場合
まず、応急的に牛乳を飲ませて(100cc以上)させてください。次に飲み込んだ物の種類と量と症状(嘔吐、腹痛、下痢)を確認し、小児科や救急病院などを受診してください。
体重18-19kgの5-6歳児が200ccの容器に半分ほど残っていたうがい液を全量飲み込んだ場合、飲み込んだフッ素量は25mgとなり急性中毒量の約0.7倍となります。同様に、200ccの容器に調製したばかりで全量が残っていたものを全部飲み込んでしまった場合は飲み込んだフッ素量は50mgで急性中毒量の1.5倍になります。この場合は下痢や嘔吐などの急性中毒症状を起こす可能性が高いと思われます。
飲み込んだ量と症状の予測は下記のとおりですが、念のため医師の診察を受けてください。
年 齢 |
種 類 |
飲み込み量 |
フッ素量 |
急性中毒発現量との比較 |
症状予測 |
| 5?6歳児 |
フッ素洗口液 (ミラノール顆粒) |
200cc(1包) |
50mg |
ほぼ1.5倍 |
中等度 |
5?6歳児 (体重18?19Kg) |
フッ素洗口液 (ミラノール顆粒) |
100cc(半包) |
25mg |
ほぼ0.7倍 |
軽 度 |
ちなみにフッ素の推定致死量は体重1kgあたり40?45mgですので、体重18kgの小児では720mgとなります。たとえ1包分を全部飲み込んでしまっても、即座に命に係わる可能性は低いと考えられます。落ち着いて対処してください。また、うがい液自体に甘み等はなく、子供が好んで食べる可能性は低いと思われます。
フッ素イオン配合のスプレーは商品名:レノビーゴとしてゾンネボード薬品株式会社から販売されています。子供も大人も使用可能です。ほとんど無味無臭ですが、わずかにレモンの香りと甘味があり、さわやかな使用感です。容器は35ml入りで約2ヶ月分となりますので、ミラノールよりやや割高ですが携帯には便利ですので、我が家でも旅行中にはレノビーゴを使っています。
6歳児の急性中毒量で計算すると11本以上一気飲み?しない限りは大丈夫ですが、かならず保護者の方の監督の元に使用してください。
効能・効果
○虫歯の発生及び進行の予防
○歯周病(歯槽膿漏)の予防
○歯肉炎の予防
○歯を白くする
成分
フッ化ナトリウム・グリチルリチン酸ジカリウム・安息香酸ナトリウム・香料
(フッ素濃度100ppm 1回に10噴霧してフッ素0.02mg)
使用法
1. まず、歯ブラシと歯磨きを使ってよく歯を磨き、汚れを落として口をすすいで下さい。
2. 次に歯ブラシにレノビーゴを適量(1回の使用時10吹前後)吹きつけて、歯のすみずみに行きわたるように歯ブラシで磨いて下さい。
3. すぐに口をすすがないで、少しの間を置いてから水ですすいで下さい。
容器とうがい液の調製
最初にうがい液を作って保存するための容器と1回分のうがい液を計量するカップが必要です。容器はきちんと密閉できるものであれば他のものでも大丈夫ですが、ガラスの容器は使えません。ミラノール(フッ素の粉末)は 1包を200ccの水に溶かすとちょうど良い濃度(約200ppm)になるように調整されています。費用は最初は容器が300円、ミラノールは半年分9包で1220円です。
1回の使用量
年齢3?4歳 5ml
年齢5?6歳 7ml
小学生以上 10 ml
調製
200mlの専用容器にミラノール顆粒1包を入れ水道水(アルカリイオン水等は不可)を加え軽く振り混ぜ洗口液を作ります。とても簡単ですが、正しい濃度になるように保護者の方が調製してください。
使用法
歯ブラシでしっかりとお口の中をきれいに磨いてください。歯の表面にばい菌が作るバイオフィルムがあるとフッ素の効果が十分に発揮できないかもしれません。適量を口に含み30秒間ブクブクうがいをします。30秒たったら液を吐き出し、その後30分間飲食を控えます。フッ素洗口をしてから約30分以内に飲んだり食べたりすると、フッ素の効果がおちてしまいます。ですから、洗口後約30分間飲食を避ければ一日のうち、どの時間にフッ素うがいをしても結構です。唾液の分泌量を考えると、できれば寝る前に歯を磨いてからフッ素うがいを行うのが一番効果的かもしれません。
保存法
残りの洗口液は冷蔵庫に保管してください。夏場に室温で放置しておくと水が腐ります。
使用前に歯科医師等の指導が義務付けられています。
至適濃度のフッ素の利用には一切の副作用や危険はありません
ただし、どんな薬でも、また、たとえ食物でも一時期に大量に摂取すると体に害を及ぼすことがありますので、適切な量のフッ素を摂取することが重要です。
フッ素は体重20kgのお子さんでは急性中毒量(大量に摂取して吐き気がしたりする量)は40mgですが、一回分7ccのフッ素量は1.75mg しかないので、間違えて一回分のうがい液を全部飲み込んでしまっても中毒をおこすことはありません。しかし、不必要な量のフッ素を摂取し続ける事を避けるために吐き出す事を確認してください。また、液を吐き出した後、口のなかに残るフッ素の量は、お茶1?2杯分に含まれるフッ素の量と同じですので、うがいに関して問題はありません。ぶくぶくうがいをして吐き出す事ができないお子様のためには歯ブラシにうがい液をつけて磨く方法もあります。
至適レベルでのフッ素使用のに対して声高に反対を唱えるグループがあります。中には癌、アルツハイマー症、ダウン症、さらにはHIVにいたるまで、存在もしないフッ素との関連性を捏造しインターネット上で発表しているものもあります。このような誤ったデータに惑わされないためにはニセ学会誌ではなく、きちんと認められた学会雑誌に発表されたデータを元に検証を加えるべきです。フッ素の安全性について詳細に検証を加えたデータとしてアメリカ歯科医師会がまとめたFluoridation Factsがあります。宮崎県子供の歯を守る会の山下先生と長崎大学の川崎先生が翻訳されたものがこちらで公開されています。
フッ素は生えてきて間もない歯に使うと一番効果的です。乳歯は生後6ヶ月から3歳半頃まで、永久歯(親知らずは除く)は4歳頃から中学3年生頃までに生えてくるから、その時期に使うと一番効果があります。また、中学生までフッ素うがいを続けた子は大人になっても虫歯が60%も少ないという研究が日本で発表されています。でも、最近では、大人の歯の根面のむし歯にも20?30%の予防効果があるという研究報告もありますし、フッ素の利用は一生続けたほうが良いでしょう。