インプラント 矯正 審美歯科 レーザー治療 フッ素について解説しています

歯科用レーザー

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 当院で使用している炭酸ガスレーザー装置 Opelaser 03Sです。現在、歯科医療に用いられている主なレーザーとしては、半導体レーザー、Nd-YAGレーザー、Er-YAGレーザー、炭酸ガスレーザーなどがあります。
炭酸ガスレーザーは、遠赤外線領域10,600nmの波長を持ち、強い熱作用があって軟組織に対する吸収が非常によく、レーザーの到達深度も浅層に限局することから組織透過性がありません。また、一瞬のうちに照射部組織の表層を蒸散させるので治療部位以外の周囲の組織へのダメージが少ない特徴があります。

 当院では1997年より炭酸ガスレーザーを導入し治療に用いています。

炭酸ガスレーザーの用途

○歯肉の炎症軽減

歯槽膿漏の急性発作、親知らずの痛みなどの急な炎症がある時、腫れている場所へレーザーを当てると、治りが早くなり、痛みが引きやすくなります。

○口内炎、アフタ、ヘルペス、義歯による傷の鎮痛・消炎

アフタなどが出来た場所への1?2回のレーザー照射で、痛みが引き、治りも早くなります。また、義歯の痛みも軽減されるので、義歯をあまりたくさん削る必要がありません。

○根管治療時の根管消毒

 神経の治療の時に毎回レーザーを照射すると痛みや腫れが早くよくなります。また、根の回りの組織に作用して炎症が治りやすくなります。

 炎症が治まって根の中に薬を詰めなおす場合もレーザーを用いて根管(歯の神経が入っている管)内を消毒すると術後の痛みや腫れがおこりにくくなります。

○形成後の疼痛緩和と歯面強化

 虫歯を削った後の歯面にレーザーを照射する事によって、一時的にダメージを受けた歯髄の回復を促し、術後の痛みを軽減します。また、レーザーを照射した部分の歯面は結晶構造が変化して耐酸性が増す事が分かっています。

○抜歯後、歯周外科治療後の治癒促進、疼痛緩和

 抜歯や歯周外科治療の後に、処置部位をその周辺も含めてレーザー照射しておくと、止血が促進され、翌日の痛みや腫れが軽減し、治りも早くなります。インプラントの手術の後の腫れや痛みを抑える効果もあります。

○小帯切除

 小帯(頬と歯茎を結ぶスジ)が短くて舌や頬の動きを制限していたり、小帯が厚すぎて歯と歯が開いてしまう事があります。このような場合は小帯を切除しなくてはなりませんが、レーザーを使えばメスによる切除に比べて簡単で、出血もなく縫う必要がありません。痛みも少なくなります。

いままで手術が難しかった小さなお子さんにも簡単に手術を行う事が可能です。

○歯肉の切除

 冠(かぶせもの)をいれるために、歯を削った後に歯型をとる時、歯肉が歯を覆ってしまいうまく型がとれないことがあります。また、義歯をつくる際、ぶよぶよに腫れた歯肉があると義歯がうまく合わない場合があります。従来は電気メスや通常のメスを用いてこれを除去していましたが、術後、治るまでに時間がかかり、痛みを伴う場合もありました。

 レーザーを照射してこのような歯肉を除去すると、出血も少ないのでその後の治療がスムーズに進み、治癒も他の方法より早くなります。

○知覚過敏処置

 むし歯でないのに冷たいものがしみる場合、歯の根元が露出してしみている(象牙質知覚過敏症)ことが多いようです。レーザーを歯または根元の歯茎に照射すると、しみる感じが楽になります。効果には個人差があるので、何回か繰り返し照射する場合もあります。また、知覚過敏の治療薬を同時に塗布するとさらに効果的です。

○歯肉のメラニン沈着の除去

歯茎の表面にメラニン色素が沈着して黒ずんでいる場合、レーザーを用いて色素を除去すると健康なピンク色の歯茎に戻すことができます。治療は通常、数回レーザーを歯茎に照射するだけです。

歯肉のメラニン沈着の除去を除き、上記の全ての処置は健康保険の範囲内の治療となります。

Q レーザーで虫歯を削る事ができますか

 ネオジウムヤグやエルビウムヤグレーザーを用いれば浅い初期の虫歯を蒸散させる事が出来ます。レーザーで虫歯を蒸散させる感覚はちょうど雪に水をかけて穴をあける感じに似ています。あまり正確に深さをコントロールする事はできません。ですから、浅い虫歯でその後にコンポジットレジンを充填できる場合には良いのですが、金属の詰め物が必要な場合は正確な窩洞形成は無理です。
 浅い虫歯の治療であればマイクロモーターと5倍速のコントラを用いて切削したほうがよほど痛みもありませんし、麻酔も必要ありません。レーザーだけで虫歯の治療を行うのはあまり意味がない事かもしれません。
 ただし、通常の機械で切削した後に、切削した面にレーザーを当てると歯の表面の結晶構造が変わって強度が増したり、切削によってダメージを受けた歯髄を回復させるなどの効果があります。

Q レーザーで歯槽膿漏を治せますか

 Yesであり、Noでもあります。この答えを考えるには歯槽膿漏の原因と進行について考える必要があります。

 歯周病の原因は?
 まず、歯茎の中に住み着いた細菌が炎症を起こし、歯と歯茎の間の隙間(歯周ポケット)を深くします。これが歯肉炎です。これを放置すると歯の表面には歯垢がカルシウムと結びついてこびりついた歯石がつき、ここに、嫌気性菌が繁殖します。これの状態になると歯周炎になります。歯石がついて嫌気性菌が繁殖すると歯磨きだけでこれを取り除く事はできません。しかも、歯の根の先端に向かって奥深くにどんどん進行します。細菌の出す毒素の影響で歯を支える歯槽骨が溶けてしまい、ぐらぐらして歯が抜けてしまいます。

 レーザーで出来る事
 レーザーには炎症を抑える作用がありますので、歯肉炎や歯周病で腫れた歯肉に照射すると炎症を軽減してくれます。また、歯周病から膿瘍を作って膿みが溜まっている場合、レーザーで無痛的に切開を行い、排膿する事もできます。通常の治療にレーザーを併用することで、患者さんの不快症状を軽減する事は可能です。
 また、石英ガラスの細いチップで導光する種類のレーザーなら直接、歯周ポケット内に照射をして細菌の量を減らすことも可能です。ただし、Nd-Yagレーザーを使って初期治療を行った場合と通常の治療を行った場合では最終的な治療効果に大きな差はなかったという論文もあります。
 
 裏付けのない治療法にご注意

 インターネットで検索するとレーザーのみを使って、歯磨き指導も通常の歯石除去も行わず、数回で歯周病が完治するような広告も見受けられます。(しかも全額自費だそうです)一時的な症状の軽減にはなるかもしれませんが、私はこのような治療には学問的なエビデンスが無いと思います。ですから、歯周病を根治させるには機械的な方法による歯石の除去と根面の平滑化(機械や手用器具による歯石の除去)とプラークコントロールが必要であると考えています。