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 先週の土曜日にTUTAYAで旧作半額に釣られて借りた5本のうちの1本、亡国のイージスを観ました。すでに原作を読んでいるのですが、福井晴敏さんの原作は描写がこまかく、物語も入り組んでいるので果たして映画化できるのかと思ったのですが、なかなか良い出来でした。ただ、映画だけを観ると細かい部分で理解できないところがあるかもしれないとは思います。
 現防衛大臣の石破 茂氏が原作の読者だったので、自衛隊の幹部が国に対して叛乱を起こすというようなストーリーにも拘らず、自衛隊が撮影に協力してくれたそうです。でも、艦内の装備を見ても、あれもこれも実はこっそり価格上乗せして私腹を肥やしている奴がいたと思うと、ちょっと複雑な気分でした。

 亡国のイージス
亡国のイージス

 日曜日は一歩も外出せず、ただひたすら本を読んでDVDを観て、チェロの練習をして、暖炉に火を焚いて過ごしていました。

 見た映画は「2001年宇宙の旅」「ターミナル」「トリスタンとイゾルデ」の3本です。
2001年宇宙の旅
 「2001年宇宙の旅」は説明するまでもない古典的名作です。映画館で3回、DVDでも何回も観ていますが、何度観ても飽きません。(何度観てもラストシーンは意味がわかりませんけれど)あと、ブレードランナーとかスターウォーズのエピソード4等も何度もみてしまう映画です。

ターミナル DTSスペシャル・エディション<2枚組> 「ターミナル」はトム・ハンクスは良かったのですが、脚本にイマイチ、リアリティがありません。最初に言葉が全く通じなくてトランジットロビーから出られなくなるのですが、どんなにマイナーな言語でもニューヨークだったら誰か通訳を探してくる事が出来るんじゃないの?と思いました。それに、ビクターはロシア語が判るみたいですので、ロシア語で説明をすれば良さそうなものです。アメリカには亡命してきたユダヤ系ロシア人がたくさんいますので、空港職員の中でロシア語を話す人がいない訳がありません。また、ビクターがニューヨークに行く事にこだわる理由がぜんぜん納得できません。手紙で済む用事じゃないんでしょうか?ファンタジーとしては良いのかもしれませんが、駄作です。

トリスタンとイゾルデ
 「トリスタンとイゾルデ」はワーグナーの楽劇でも有名ですが、去年映画化された作品です。こちらのほうは適度に美しく、適度にリアルな映像です。物語自体は中世から語り継がれて来た有名な話ですので、だれでも結末を知っています。悲劇に向かう途中のひとときの平穏で耽美的な時間というのがよく描かれていました。ただ、重要なモチーフである「媚薬」が出てこないのはちょっと残念です。媚薬が出て来ないので、原作では婚約者を殺されてトリスタンを恨んでいるはずのイゾルデですが、映画では最初からトリスタンに好意を寄せています。だから、毒薬でトリスタンを殺そうとするのですが、「間違えて」毒薬ではなく媚薬を盛ってしまい、互いに恋に落ちてしまうのです。すごく憎んでいた相手なのに恋に落ちてしまうという葛藤が無くなっています。ちょっと物足りません。
 また、原作ではすでにトリスタンと関係を持ったイゾルデの身代わりとなって、イゾルデの侍女が身代わりとなって王との初夜を迎えるというのも重要な物語の展開の一部です。ところが映画ではイゾルデの侍女がイゾルデの「乳母」になっていたので、この年齢で王をダマせるのか?と思っていたら、「身代わりの初夜」のエピソードはばっさり切られていました。

 トリスタンとイゾルデの物語は語り継がれて行くうちにいろいろなバリエーションが派生していますので、これもまた現代版のバリエーションと見れば良いのかもしれません。

 と、いう訳で映画を3本観て、後の時間は本を読んだり、うたた寝をしたり、チェロの練習をしたり、ネットしたりしていたので、結局12時間かウチの上で過ごしてしまいました。昨日「安静に?』していたためか、今日はちょっと体調が良いです。

 家族で近所のシネコンで『魔笛』を見てきました。魔笛といえばモーツァルトの最後のオペラですが、モーツァルトの生誕250年を記念して2006年に英国の映画監督ケネス・ブラナーが映画化しました。日本では公開が遅れて生誕250周年に間に合わなかったのが残念です。

 映画の冒頭の序曲は空を飛ぶ鳥の群れからパンダウンして花の咲き乱れる草原へ、そして延々と続く塹壕の中を走る兵士を追いかけてと圧倒されるほど長いワンショットで表現されます。CGを使っていると思うのですが早い場面展開と途切れのない映像が見事です。

 元のオペラには「おおイシスとオシリスの神よ、なんという喜び!」という合唱がありますので、舞台はエジプトかと思いますが、映画は第一次大戦中のヨーロッパが舞台のようです。赤と青の軍服の両軍が塹壕の中で睨み合っています。軍服の色は黒澤明監督の映画に出て来た赤と黒の鎧のように、様式美の世界を感じさせます。タミーノは大蛇ではなく毒ガスに襲われ、従軍看護婦の3人の侍女に助けられます。砲塔の無い特長的な形Mk.I戦車が出てきますので、青の軍服はイギリス軍でしょうか?そうすると赤い軍服は毒ガスを使いますので、ドイツ軍かもしれません。

 なにしろ、元のオペラの筋書き自体がかなり荒唐無稽で、しかも途中で善悪が入れ替わるという判りにくいストーリーですので、一度もこのオペラを見た事が無い方には判りにくいかもしれません。また、最後の火と水の試練もちょっとしょぼいです。せっかくCGを多用しているのですから、もっとスゴイ映像を作れたのではとも思います。もっともあまりやるとダイハード4.0になってしまいそうですが。

 139分の上映時間はちょっと長いですが、オペラの全曲を網羅しています。原曲はドイツ語なんですが、映画では全曲が英語に翻訳されています。台詞の部分はともかく、せっかくなら歌はドイツ語だったら良かったのにとも思いました。それに英語の歌詞が原曲のドイツ語の歌詞と内容が微妙に違うアリアがあってちょっと気になります。ただ、英語で良かったのは非常に判りやすい英語だったので、三重唱や四重唱でそれぞれの歌手が違う歌詞を歌っている部分が良く判りました。モーツアルトのオペラには良くあるのですが、ドイツ語やイタリア語ではちょっと判りにくい、というよりぜんぜん判りません。さらに観た映画館は新しいシネコンだったので音響も良く、うちでオペラのDVD見てるよりずっと楽しめました。

 主な出演者はすべてオペラ歌手ですが、アップで見ても表情豊かで皆さん演技が上手です。特に夜の女王役のリューホフ・ペドロヴァとザラストロのルネ・パーペ 、もっとも高い音域ともっとも低い音域を歌うこの二人の歌手が特に良かったように思います。DVDが出たらぜひ買いたいと思います.

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