医療費削減は良い事ですが

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 医療費削減というと「診療報酬を下げて、儲けすぎている悪徳医師(歯科医師)から分捕ったお金で税金の負担を少なくする。」という図式になっているようですが本当でしょうか。

 医療経済実態調査報告から歯科診療所のデータを見ると、収支差額はH15年6月とH17年6月では個人で9.6%、その他は21.6%、平均では11.0%の伸びとなっています。これだけを見ると歯科医院は前年に比べて黒字幅が増えているように思えます。
 ところが、詳細を見ると個人立の歯科診療所では収入4.2%減小(自費診療収入は、2.1%減少)、しかし、費用が11.0%以上減少、その結果としていわゆる黒字額が、9.6%増大しています。

 まず、第一にどんな業種でも費用を11%も削減して同じサービスレベルが維持できるものでしょうか。老朽化した設備の更新を我慢して、スタッフをどんどんリストラして、単価の安い材料を使っていけばある程度の費用の圧縮は可能かもしれません。特に外注技工料が大きく下がっているという事は技工士さんにもずいぶんと大きな負担をかけているという事ではないでしょうか。
 第二に11%の費用の圧縮というデータ自体に誤りはないのでしょうか。大規模大量生産の工場とは違って、患者さん毎にカスタムメードの技工物を作成する歯科医療で11%の費用の圧縮というのは、現実から大きくかけ離れた数字のように思います。

 それではお前のところはどうなんだ?と思われるかもしれません。うちでは調査とは逆に、ここ数年の間に最新の医療機器類を購入しましたので、費用は年々増加しています。また、オールセラミック修復やインプラントといった治療が増える事により、専門の技工士さん(セラミストとも呼ばれています)に支払う技工料が増えています。ありがたい事に患者さんの数は増加していますので、なんとか増加した費用は吸収できています。

 さらには木村剛氏のブログ:アーリーウォーニングにこんな記事を見つけました。

 総額を抑制する方向感に異論はない。効能が同水準で価格が安いジェネリック(後発医薬品)を使用するなどやるべきことは山積しており、その結果、かなりの削減効果は望み得る。

 ただし、そこで忘れてはいけないことがある。それは、医療費削減に汗を流した者が報われる制度設計を導入しなければならない??ということだ。

 わが国では、長い間、「医は仁術」という建前の下で、経営や損益に関する議論が先送りされてきた。誤った平等意識や公平感が重用され、制度のゆがみが放置されてきた。

 特に、お上がサービスやモノの値段を決めてきたために、努力した者が報われない制度になっているのは大問題。サービスの中身がどうあろうとも、価格が同じなのだから、サービスを向上させようとするインセンティブが働かない。

 もしも、経営努力で医療の質を下げずに損益を改善したとしても、翌年の調査で「ずいぶん儲かっているみたいだからその分は貰って行くぞ。」みたいな保険改定が日常化すれば必ず医療の質は下がると思います。新聞やマスコミは果たして真実を伝えていると言えるのでしょうか。

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このページは、院長が2005年12月23日 17:34に書いたブログ記事です。

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