経済関係の評論家で割と有名な木村剛氏のブログにこんなタイトルのエントリーがありました。読んでみるとかなり事実を誤認されているようです。木村氏の著作はいくつか読んでいて、結構信頼できそうなイメージだったのですが、私の専門分野へのご意見を読むとちょっとガッカリしています。
FujiSankeiBusiness iより
本当に規制改革は難しい。あまり知られていないが、歯医者だってそうだ。
じつは、わが国においては、わが国の歯科医師試験に合格し、厚生労働相の免許を受けた歯科医師でなければ歯医者を営業できないことになっている。このため、外国の高度な歯科医療技術がなかなか入ってこない。そういう技術については、講演会や研修会が行われているだけで、単なるデモンストレーションにとどまっている。
「歯医者を営業できない」とは「歯科医院を開設できない」という意味だと思いますが、それと「外国の高度な歯科医療技術がなかなか入ってこない。」(これも疑問ですが)のは関係ないと思います。逆に、日本の歯科医師免許を持たない外国人歯科医師に歯科医院の開設を許可すれば、高度な歯科医療技術が即座に入ってくるのでしょうか。
確かに、アメリカやヨーロッパには世界レベルの技術を持つ歯科医師がいます。ただし、そんな人たちは母国ですでに桁違いの多額の収入を得ていますので、わざわざ日本で開業はしないのではないでしょうか。例えばハリウッドスターが日本の映画に出るのは自由ですが、日本に拠点を移して主に日本映画に出演する人はいませんよね。
また、「そういう技術については、講演会や研修会が行われているだけで、単なるデモンストレーションにとどまっている。」ともあります。私自身、しょっちゅう新しい技術の講演会や研修会に行くのですが、講義で実際の臨床例のスライドを見せてもらいながら理論的背景や実際の術式、注意点などを学び、細かい点については模型で実習という場合が多いです。海外の研修会に参加する事もありますが、だいたい同じような形式でした。そもそも歯科医学は科学の一分野ですので、どのような技術もきちんと体系化され再現性がなくてはなりません。別に一子相伝の秘伝でも盗み見て覚える職人技でもありません。なんだか勘違いされているようです。
すでに最初のパラグラフで理論が破綻しているのですが、まだ続きます。
そこで構造改革特区に関連して、日本の歯科医療高度化のため、特定の診療所において、高度な技術を持った外国歯科医師資格を有する歯科医師が研修業務や診療業務を行うことを認めよという動きが起こった。 その理由を聞くと、極めて説得的だ。外国歯科医師資格を有した歯科医師が日本では患者に対する医療行為を行えないので、高度な技術を実際の治療という形で直接見ることができない。研修会でのライブ治療が可能になれば、国内の歯科医師がクオリティーの高い卒後教育を受けられることになる。たしかに外国人講師を呼んでの研修会で実際に手術などの医療行為を行うと問題になる場合もあります。現状でも特定の指定病院では外国人の研修生が医療研修を行う事を認めていますので、指定病院に講師を呼んでの手術供覧を厚生労働省が認めるのはそんなに問題がないと思います。また、現状ではこちらから外国の有名な先生のオフィスに行って手術や処置をライブで見せてもらって研修するのが一般的です。
なにしろ、下手するとロスアンジェルス往復で3万円台などというチケットがありますので、時間の都合さえつけば、こちらから行けば良いだけです。さらには、日本では新鮮屍体を使ったインプラントの埋入実習などは難しいのですが、アメリカでは比較的容易です。
私も日本人や外国人の先生のライブオペ見学に行った事が何度かありますが、歯科は術野が狭いのですぐ横から見ていてもあまり見えるものではありません。術野を見るのにベストポジションは術者の真後ろかファーストアシスタントの位置なんですが、結局は2人が精一杯です。最近のライブオペでは手術室でのオペを術者の肩越しに術者の視点でビデオカメラで撮影し、見学は別室でプロジェクタに投影して見るというパターンが多いのです。これなら別にオペ室に入る必要がないので一度に多くの人数でオペ見学が可能です。手元も見やすいですし、立ちっぱなしではないので疲れません。ゆっくりノートも取れます。
今年のNobel BiocareのWorld Tour 2006ではついに4名の著名なドクターによる衛星生中継ライブオペが行われるそうです。これなら世界的に有名な先生達を無理矢理日本で開業させなくても、みんなでライブオペ見学が可能です。他にもこの研修会のために海外の有名な講師もたくさん来日されますので、私も出席するつもりです。
結局、「構造改革特区に関連して、日本の歯科医療高度化のため、特定の診療所において、高度な技術を持った外国歯科医師資格を有する歯科医師が研修業務や診療業務を行うことを認めよという動き」に対しての厚生労働省の対応は、
「日本の歯科医療の技術や質が外国に比べ劣っているという事実は把握しておらず、ご提案で想定している高度な歯科技術は、日本のどの歯科医師にも備わっていないとは考えにくいため、外国の歯科医師を招き、実際の患者を対象に診療する必要性があるとは考えられない」のだと言う。呆(あき)れてモノもいえない。こうなったら、虫歯は海外で治すしかないのかもしれない。
呆れてモノも言えないのは私の方です。
木村さん、そんなに日本の歯科医療のレベルが低いと思われるなら、ご自身が虫歯になったらぜひ海外で治療してください。
とりあえず、自分でなんとか修理する事にします。まずはパンタグラフを組み立て。内側のパーツと外側のパーツがきちんと組み合わさるように真ん中のジョイントの部分を組み立てます。次に手前のフックにパンタグラフを引っ掛けてフラットになるように置きます。最後に奥のジョイントの部分を細い精密ドライバーで本体の受け金具に押し込むと元に戻ります。
この作業の間、怒られたマシュマロは隣のソファでふて寝してました。しかもまたもやへそ天です。呑気な奴です。(かわいいですけど)
感想としても「ともかく長い!」端から端まで歩くのに随分時間がかかります。せめてアメリカのモールによくある+型かH型の配置だったら良かったのに、と思いました。ただ、歩く距離が長いので床は歩きやすいように柔らかめの素材です。それに、指定場所以外では全館が禁煙なので、歩きタバコもなく快適でした。

