●フェアトレード(fair trade)はフェアなのか? コーヒー編
フェアトレード(fair trade)という言葉を最近よく聞くようになりましたが、ご存知でしょうか。日本でこの活動を行っている 特定非営利活動法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン に説明があります。
フェアトレードのマークのついた製品は、環境に優しい農業やよりよい組合の運営などに取り組む生産者に対して、生産者が本当に必要な代金を前払いしたり、長期の取引を保障しているものです。定期的な収入を得ることによって、生産者は安定した生活を送り、それにより彼ら自身で社会を発展させ、また土や水に無理な負担をかけることなく良質な作物づくりに励むことができるのです。フェアトレードは、1960年代に、経済的、社会的に立場の弱い生産者に対して通常の国際市場価格よりも高めに設定した価格で継続的に農産物や手工芸品などを取引し、発展途上国の自立を促すという人道的側面が強い社会運動としてヨーロッパから始まりましたが、現在では、経済的、社会的、環境的問題のバランスをとる持続可能な発展のための社会的措置であると認識されています。
ちょっと頭が混乱してきました。通常なら自国の政府が行う農業の保護や育成を他国の、それも民間団体がやっているように思えます。
たとえばフェアトレードではコーヒー豆が有名なんですが、コーヒーは「国際市場価格」が下落を続けており、国際市場価格が生産者原価を割る状況だそうです。そこで、フェアトレードでは国際市場価格に上乗せした価格で買い取って生産者保護をしているそうです。では、何でコーヒーの市場価格が下がっているのでしょうか?このページに詳しい説明がありました。
コーヒーの国際価格は、ずっと下がり続けており、今では1ポンドあたり50セントにもなりません。原因は、コーヒー豆の生産過剰です。1989年に、コーヒーの国際割り当て制度がなくなってから、世界的に生産量が増大しました。ベトナムのような新興産地が現れたことも、コーヒー豆の余剰、市場価格の下落傾向をより激しいものにしました。
実はコーヒーは生産過剰なんですね。だから需給バランスが崩れて市場価格が下落しているのです。原価割れを起こしているのは生産や輸送コストが高くて他の地域に対抗できなかったり、気候や土壌や未熟な栽培技術の影響で高品質のコーヒー豆を産出できない地域が多いようです。
日本コーヒー協会ではこの状態を
言葉を変えて云えば、コストを下げられなかったり、或いは高値で売れる品が作れなかった生産者は、価格低下の影響をまともに受けて、最終的にはコーヒー生産を諦めるしかないということだ。これが構造的な過剰生産構造を解決するための唯一の方法のように見える。意地悪な見方をする人たちは、生産コストに見合うまで価格水準を持ち上げることは、調整を遅らせて結局は失敗に終らせるために、コーヒー社会の苦難を長引かせるだけだという。
と、分析しています。結局、コーヒーは生産調整が必要な作物なのです。ここで、生産コスト競争に勝てずに脱落していくべき地域を助ける事は、その苦しみを長引かせるだけでなく、本来なら脱落すべき地域よりやや良好なコストで生産をしている地域を苦しめる事になると思います。だって、フェアトレードからお金が余分に支払われても全世界のコーヒー消費量は変わらないのですから、どこかのコーヒが余る事になります。なのに、フェアトレードの活動を見ていると、いままでコーヒー栽培を行っていなかった地域にもコーヒー栽培を広げたりもしているようです。
なんだか活動の趣旨がよく理解できません。
実はフェアトレードのコーヒーを買わなくても、簡単にコーヒー農家を支援する方法があります。それは、一日にもう一杯だけコーヒーを余分に飲めば良いのです。コーヒー消費量が上向けば国際価格も上昇してコーヒー農家にも「その競争力に見合った」金額が渡ります。幾分は中間業者の取り分に消えるかもしれませんが、フェアトレードなどの運営費に消える分を考えるとずっと効率的です。
ただ、人間の嗜好品の摂取量には限りがあると思いますので、今度は日本茶や紅茶の生産農家に影響が及ぶ事は充分に考えられます。
世の中、難しいです。