2007年4月アーカイブ

 「即時加重」とはインプラントを植えた当日に、仮歯を入れ噛む力を加える方法です。以前はインプラントを植えたら3-6ヶ月は絶対安静状態で力を加えるなどとんでもないと思われていました。その後の研究や技術の進歩で、条件が整えば即時加重をしても大丈夫だという事が判ってきました。

 今回の処置では虫歯がひどくなって割れてしまった歯を抜いてインプラントと置き換えました。幸い、炎症が進む前にでしたので、歯を支える骨が比較的多く残っていました。従来の方法だと抜歯をして3ヶ月待って、インプラントを埋入し、さらに4-6ヶ月待ってようやく噛める状態になります。

 もし、骨の吸収が多ければ、骨を増やす処置をしてさらに6-12ヶ月待たないといけませんでした。ずいぶん時間がかかりますね。

 歯槽骨や歯肉に損傷を与えないように通常の抜歯よりやや時間がかかりますが、15分ほどで抜けました。汚染した部分をきれいにしてインプラントの位置決めをして埋入をしました。埋入自体は30分ほどです。インプラントや歯の動揺度を調べるペリオテストという機械でチェックをすると動揺度は[0]。埋入時のトルク値も40N・cmを越えていましたので、充分に即時加重が可能な値です。仮の歯を取り付けるための土台をインプラントと連結しました。

 インプラントと抜歯窩の間にはやや隙間が残りますので、骨を誘導してくれるハイドロキシアパタイト製剤を入れ、仮歯を取り付けました。

 「なんでもバリバリ噛める」訳ではありませんが、痛みや腫れもなく、目立つ部分だったので抜いた後の事を心配されていた患者さんには非常に喜んで頂きました。
 
 同じ週に埋入した別の患者さんも抜歯即時インプラントでしたが、骨の条件がやや悪く、即時加重はできませんでした。また、奥歯を一本だけインプラントと置き換える処置でしたので、あまり噛む事の影響がないためペリオテストの値を見ながら1-2ヶ月で荷重を加える方法を選択しました。

 できるだけ患者さんの肉体的負担を減らす為に新しい技術や手技を使えば、ひどく腫れたり痛んだり治療の終了まで長期間かかる治療は過去のものになりそうです。

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